なぜアーセナルはティエリ・アンリをわずか1600万ポンドでバルセロナに売ったのか!? 当時のマネージングディレクターが明かす

CLレアル・マドリード戦で勝利に導く一発を決めたアンリ Photo/Getty Images

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選手として下降線だと判断された

アーセナルのレジェンドである元フランス代表FWティエリ・アンリ。03-04シーズンの伝説的なプレミアリーグ無敗優勝に得点王として貢献したほか、翌、翌々シーズンも得点王、さらに05-06シーズンはUEFAチャンピオンズリーグでもレアル・マドリードを破る原動力となるなど活躍を見せ、今なおサポーターからの人気は絶大だ。

そんなアンリは06-07シーズンの多くを怪我で欠場することになり、07-08シーズンにバルセロナへと去ってしまう。移籍金は1600万ポンドだったが、現在の選手価格の高騰からみれば驚くほど安い金額だ。バルセロナでもアンリは躍動し、121試合で49ゴールを決め、2度のリーガ優勝、そしてチャンピオンズリーグ制覇に大きく貢献した。

アーセナルはなぜアンリを売ってしまったのか。当時アーセナルのマネージングディレクターを務めていたキース・エデルマン氏が『THE Sun』で明らかにした。
「ティエリが移籍した理由は、スピードが落ちていたからだ。彼のプレイは基本的にスピードがすべてだった」

「そしてスピードを失えば、死んでしまう。だから、彼が下降線を辿っていたにもかかわらず、私たちはお金を手に入れたのだ」

「ケビン・デ・ブライネと同じだ。昨年末にもっと高い金額で彼を売却したほうが良かったのではないか?」

おそらく前年の負傷もあったのだろう。アーセナルはアンリが選手として下降線を辿っていると判断したのだ。しかしアンリはバルセロナでも活躍。一方、アーセナルは主力の多くが入れ替わり、2014年にFA杯を獲得するまで主要なトロフィーから9年間も見放されることになった。

そしてアーセナルには、スタジアム建設による財政難という事情もあった。切実にお金を必要としていたのだろう。アンリ売却の裏には、クラブ経営の難しさが見え隠れしている。

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