W杯アジア最終予選、日本代表は25日にサウジアラビア代表と対戦する。すでに一番乗りで本戦出場を決めた日本だが、本大会前にできるだけ勝ち星を積み上げ、FIFAランクを上げておくことが重要だと森保一監督は語っている。本大会でポット1に入ることができれば、強豪国との対戦を避けられる可能性が高いからだ。したがって、このサウジ戦も気の抜けない戦いとなる。
サウジにとっては、日本はとりわけ嫌な相手となるだろう。圧倒的な勝ち点差でグループ首位にいるというだけではない。前回対戦で日本相手にホームで初の敗戦を喫し、その後のバーレーン代表戦も0-0のスコアレスに終わったことで、前監督ロベルト・マンチーニが解任に追い込まれている。ネガティブな記憶は残っているに違いない。
そんな日本戦を前に、サウジメディア『KOOORA』は、「サムライとの対決前にマンチーニからルナールに与えられた3つの教訓」を挙げている。
ひとつは、「間違いは許されない」ということ。「日本はゴール前でミスをせず、特に守備のミスは、わずかなチャンスでも得点につなげる日本チームによって、すぐに罰せられる」とされている。日本が特定の得点源に頼らず、さまざまな角度から得点に繋げてくることも指摘されている。ホームでは日本を楽に前進させて攻撃を組み立てる機会を与えてしまったことは最大のリスクであり、バックラインだけでなく、アタッカーを含むすべてのプレイヤーが日本にプレッシャーをかけなければならないとされている。
2つ目は「物理的な存在感」となっている。言い回しがわかりづらいが、日本は試合中に油断したり、もう勝ったと考えて手を抜いたりしないということだ。
「日本チームが試合のどの時点でもバトンを渡したり、結果を受け入れたりすると思ったら、それは間違いだ。サムライは予選中、何度も得点を挙げたが、おそらくその得点回数はこの組織化されたチームの強力な物理的な存在感を反映している」
サウジホームで戦ったとき、日本が最初の15分と最後の15分でどちらも得点したことは、日本が精神的にも肉体的にも強く、得点のチャンスを逃さないことを意味していると綴られている。24得点を挙げ、わずか2失点にとどまる日本に対しては、攻撃から守備への切り替えも素早く行わなければならないと警鐘が鳴らされた。
3つ目は、オープンな戦いを避けること。特に日本のホームであることを考えれば、サウジにとっては当然だ。できるだけプレイエリアを狭め、日本のボール支配を避けることができれば、ポジティブな結果が得られるかもしれないと綴られた。
サウジは現在グループ3位につけ、2位オーストラリアとの勝ち点差はわずかに1。最終戦はそのオーストラリアと直接対決することになり、ここまでに逆転可能な勝ち点差をキープするために、死にものぐるいで勝ち点をもぎ取りにくるだろう。
指揮官が変わったことで、前回とはまた違う姿を見せてくることも予想されるサウジ。日本はホームとはいえ、足をすくわれぬよう慎重に戦う必要がありそうだ。