サウジがどうしても欲しかった「勝ち点1」の意味 W杯出場までの計算は? 最終節はオーストラリアと“ガチンコ”出場権争いに

サウジ指揮官エルベ・ルナール Photo/Getty Images

ルナール監督はプレイオフは考えていないと語った

日本代表とのアウェイ戦を0-0のスコアレスドローに終え、勝ち点1を持ち帰ったサウジアラビア代表。サウジは徹底的に守備を固め、攻撃はほぼロングボールの放り込みに終始。指揮官エルベ・ルナールは、初めからドロー狙いで試合に臨んでいた。

その試みは成功したが、この勝ち点1はサウジにとって、直接出場権争いにとどまるためにどうしても必要な1ポイントだった。

状況を整理すると、オーストラリアは今回の3月シリーズで2連勝したため、勝ち点を13まで伸ばした。一方サウジは日本戦のドローによって勝ち点10となり、両者の間は3ポイントの勝ち点差が開いている。

サウジメディア『Asharq Al-Awsat』は、グリーン・ファルコンズ(サウジ代表)に必要なのは勝利だけではないと伝えている。サウジが2位に入り、直接出場権を得るには、6月の日本戦でオーストラリアが負け、もしくは引き分けでつまずく必要がある。サウジは第9戦のバーレーン戦に必ず勝たなくてはならない。

日本戦で引き分けた場合、オーストラリアが勝ち点14、サウジがバーレーン戦で勝てば勝ち点13。この時点で、最終戦の直接対決がまさに直接出場権獲得の分け目になる。また、オーストラリアが日本に勝った場合も、わずかながら可能性が残る。サウジがバーレーンとオーストラリアに連勝した場合は勝ち点16で最終的に並ぶことになる。しかし現在、得失点差はオーストラリアが「+7」、サウジが「-2」となっているため、かなりの大差でバーレーンとオーストラリアを破らねばならない。ただ、日本戦の勝ち点1がなければ、この状況を作り出す可能性は消滅していた。

こういった条件のため、次戦のオーストラリア対日本では、サウジ国民がこぞって日本を応援する構図になるかもしれない。直接出場権獲得は非常に厳しい条件と言わざるを得ないが、ルナール監督は日本戦後の記者会見で「我々にはまだ勝利して目標を達成するチャンスがあり、私はそれに完全に集中している。直接出場権を確実に得るために、我々は勝利の精神で毎試合戦うつもりだ」と発言しており、プレイオフに回る気はないようだ。

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