3月の予選を連勝で飾った豪州 復調の兆しが見えたきた中で鬼門となる6月の2連戦に挑む

3月シリーズは連勝でW杯出場に近づいたオーストラリア代表 photo/Getty Images

インドネシア、中国に勝利

3月20日、25日に行われたワールドカップ北中米大会アジア最終予選。グループC2位につけるオーストラリアはこの3月シリーズでインドネシア、中国と対戦した。

オーストラリアは今予選、初戦ホームでバーレーン相手に0−1で敗れ黒星スタートを余儀なくされた。9月末にはそれまで率いていたグラハム・アーノルド監督を解任。新たにトニー・ポポヴィッチ監督が就任すると、ホームの中国戦で最終予選初白星を挙げ、以降は日本、サウジアラビア、バーレーンを相手にドロー。11月の予選が終了した段階で1勝4分1敗勝ち点7で2位につけるも3位との差はたった1ポイント、しかも3位から6位まで同じ勝ち点だったために2位とはいえ全く油断ならない状況であった。

迎えた3月の予選だが試合を前にオーストラリアは緊急事態に陥る。DFハリー・ソウターやFWネストリ・イランクンダといった主力選手や若手選手らが負傷により揃って戦線を離脱。特にこれまで代表のDFの支柱だったソウターは全治約1年でこの最終予選期間に間に合わないことが確定。ただでさえチームの状況が良くない中でさらに逆風が吹き荒れ、不安が漂うまま3月の2連戦に挑んだ。

しかし蓋を開けてみると、最初のインドネシア戦ではホームでの試合ということもあってか、それまで見られなかった攻撃に勢いが増し結果は5−1の圧勝。インドネシアの自滅感も否めない試合ではあったが底力を見せた。続く中国戦では前半のうちに2点を先取。内容は五分五分の展開になるも前半の2点を守り切り2−0で勝利。結果2連勝で勝ち点6を積み上げることに成功した。予選の前半、特に序盤の頃と比べると明らかにチームの状況は向上している。

3月の予選を連勝で飾ることができたオーストラリアだが、本当の戦いはこれからだ。来たる6月の予選ではホームで日本と、アウェイでサウジアラビアと対戦する。日本はすでにワールドカップ出場を決めているが、オーストラリアが日本に最後に勝利したのは2009年の6月にまで遡り、以降10試合戦い4分6敗と勝利がなく相性は悪い。また最終節のサウジアラビアとの試合は、この日本戦の結果次第でもあるがワールドカップ自動出場ラインである2位をかけた死闘となるだろう。オーストラリアは現在勝ち点13、サウジは勝ち点10で3位につけているが、得失点差は9点も離れておりサウジにとってはだいぶ不利な状況にいる。また直近2大会の予選でも同組になった両者だが、オーストラリアはその直近2大会の予選でアウェイのサウジとの試合に勝利したことがなく鬼門となっている。今回の予選前半でも日本、サウジ両者と対戦しており共にドローで終わっているために、この3月の試合とは打って変わって非常に難しい2連戦になるだろう。

そんな鬼門の6月シリーズを前にしてポポヴィッチ監督は「今、大きな挑戦が待っている」とコメント、「この3月の予選が始まった段階で我々はリードしていた。6ポイントを獲得し、リードを3ポイントに広げ自分たちの役割を果たした。我々は良い位置にいる。すべては我々の手にかかっているからだ。だが我々は仕事をやり遂げなければならない。素晴らしい2試合が控えている。まずはパースでの日本戦。特別な試合になるだろう」と対戦を待ち侘びていた。

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