なぜノッティンガム・フォレストは怪我人が少ないのか? 怪我人だらけのプレミアで躍進できた、その秘密とは

フォレストを躍進させるヌーノ・エスピリト・サント Photo/Getty Images

もっとも怪我人が少ないフォレスト

今季、プレミアリーグでは怪我人が続出している。中心選手が長期離脱してしまったチームも少なくない。マンチェスター・シティではMFロドリが、アーセナルではFWブカヨ・サカが長期離脱となり、戦いに大きな影響を及ぼしている。現在首位のリヴァプールがリーグを独走できているのは、比較的怪我人が少なかったことが理由の1つとして挙げられるだろう。

もう1つ、怪我人が少なかったことで躍進しているクラブがある。現在勝ち点54で3位につけているノッティンガム・フォレストだ。

『The Athletic』は今季のプレミア全クラブの負傷離脱の回数、その離脱日数を集計しているが、いずれももっとも少ないのがフォレストだ。今季、怪我で離脱した人数は11人。合計日数は475日となっている。ちなみにもっとも怪我人が多いのがブライトンで、離脱の総数は36回。その合計日数は1407日にも及ぶ。合計日数でブライトンに次いで多いのがトッテナムの1165日、その次がイプスウィッチの989日、その次がアーセナルの885日となっている。

では、なぜフォレストは怪我人が少ないのだろうか。同メディアはかつてワトフォードの主任理学療法士、レディングのスポーツ医学部長などを歴任し、現在はパフォーマンスセンター『GoPerform』の臨床ディレクターを務めるルーク・アンソニー氏の見解を紹介している。

1つは、フットボールのスタイルにある。同氏はトッテナムの例を挙げ、攻撃的なプレス、ハイライン、センターバックの高速なカバーなどがプレイスタイルに不可欠であることを指摘。トッテナムはそれを比較的小規模なチームで、同じ選手を繰り返し起用することで行っており、それがリスクを生み出しているという。トッテナムも今季多くの怪我人を出しているチームだ。

フォレストの場合、その逆であることが幸いしているという。フォレストはリーグでもっともプレスをかけないチームで、低く構えてボールを奪ったときのみ、素早くカウンターを発動する。相手にボールを持たせることを厭わないスタイルだ。

もう1つの要因は、ヨーロッパでの戦いがないことだ。リーグ上位チームの多くはCLやELを戦うが、フォレストにはそれがない。他チームが遠征している間、コンディションの維持に努めることができ、これが大きな利点になっているという。

結果的に、今季のCL出場権を得ることが濃厚となりつつあるフォレスト。ただ当然のことながら、CL出場権を得れば2つ目の利点は消え失せることになる。躍進したスモールチームが次のシーズンに欧州コンペティションとの両立に苦しみ、成績を低迷させる例はいくつもある。今季でいえばラ・リーガのジローナなどがそれにあたるだろう。

それをどう乗り越えるかはヌーノ・エスピリト・サント監督の手腕にかかっているが、今季のマネジメントに関しては見事な成果を挙げているようだ。

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