日本はワールドカップで優勝できるか? この問いに開催国アメリカのメディアが見解

W杯一番乗りとなった日本代表 Photo/Getty Images

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「大会後半まで勝ち進むだけの実力はある」

日本代表はW杯アジア最終予選でバーレーン代表に勝利し、開催国以外で世界最速の本大会出場を決めた。続くサウジアラビア代表戦は0-0のスコアレスドローに終わったが、今回の3月シリーズは日本サッカー界にとって喜ばしいものであったことは間違いない。

W杯の決勝トーナメントで8強の壁を破ったことがない日本だが、チームは目標を「ベスト8」ではなく「優勝」に置いている。JFAの中期計画では2050年までに、となっているが、森保一監督も遠藤航を始めとした選手たちも「W杯優勝」の目標を口々に掲げている。

そんななか、開催国の1つであるアメリカのメディア『ESPN』は「日本はワールドカップで優勝できるだろうか?」と見出しを打ち、記事を掲載した。
「日本は、過去の中田英寿、本田圭佑、香川真司のような傑出した世界クラスの選手たちはいないにしても、ヨーロッパの主要リーグで活躍する数多くの選手たちを擁する強力なチームである」

「これまで過度に保守的な戦術だと批判されてきた森保監督だが、今シーズンはそれとはまったく逆の、冒険的な[3-4-2-1]フォーメーションを採用した。単純にできるだけ多くのアタッカーを配置する計画のようだ。クラブチームで得点力のあるアタッカーである三笘薫と堂安律はウイングバックとして起用され、同じく創造性豊かな久保建英と南野拓実と連携し、攻撃的ミッドフィールドの2つのポジションを占めている。鎌田大地、古橋亨梧、前田大然といったヨーロッパで活躍するい有名選手は、現時点でスタメンに入れないほど、森保監督が擁する選手層の厚みが見える」

「誤解しないでほしいが、日本は2026年のワールドカップの後半戦まで勝ち進むだけの実力を持っている。しかし火曜日のサウジアラビアとの0対0の引き分けが示したように、日本は、同じようなレベルの相手が控えめに構えた場合、突破口を見つけるのに苦労する可能性がある。日本は大陸の舞台で強豪相手に見せてきた冒険にも関わらず、世界最高のチームと対戦したときに森保監督が自分の信念を貫くかどうかはまだわからない」

ガブリエル・タン記者はこのように綴っている。今回のサウジ戦のみならず、前回大会のコスタリカ代表戦でもそうだったように、日本は引いた相手を崩すのにしばしば苦労し、勝ち点を失う傾向がある。

そして指摘されたように、日本が強豪国を相手にした場合、現在の超攻撃的な3バックシステムを継続するのかという問題もある。このシステムは前回大会でドイツを破ったときのものでもあるが、リードされた展開で攻撃的にシフトし生まれた形だった。果たして初めから攻撃的なシフトを敷くのか、疑問もある。

それでも「大会後半まで勝ち進む」という一定の評価はされている日本代表。もちろんトーナメントまで進めば1発勝負であり、以降何が起こるかはわからない。過去最高の総合力を持っていることは確かであり、戦う以上は優勝を目指すというのは正しい姿勢といえるだろう。

前評判をどこまで覆せるか、躍進に期待したいところだ。



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