ネスタ、スタム、マルディーニ、カフーの黄金ラインでも止められず ネスタが振り返るイスタンブールの夜「ジェラードがピッチのどこにでもいた」

長くミランを支えたネスタ photo/Getty Images

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3点のリードを守れず大逆転負け

チャンピオンズリーグの歴史を語るうえで、もはや伝説となっているのが2004-05シーズンの決勝で起きた『イスタンブールの奇跡』だ。

当時の決勝はミランVSリヴァプールのカードで、試合は前半のうちにミランが3点をゲット。勝負あったかと思われたが、リヴァプールが後半に3ゴールを奪い返し、PK戦の末にミランを撃破している。

今回『Amazon Prime』のインタビューで当時を振り返ったのが、ミランのセンターバックに入っていたアレッサンドロ・ネスタだ。当時世界最高のDFの1人だったネスタは、決勝で元オランダ代表のヤープ・スタムとコンビを組んでいた。左サイドバックにはイタリアのレジェンドであるパオロ・マルディーニ、右サイドバックにはブラジルのレジェンドであるカフー、GKには同じブラジルのジーダと、まるで穴がない最終ラインだ。
中盤にはアンドレア・ピルロ、ジェンナーロ・ガットゥーゾ、クラレンス・セードルフ、着実に世界最高の選手へと近づいていたカカー、2トップはエルナン・クレスポ&当時セリエA最高のストライカーだったアンドリー・シェフチェンコだ。途中出場からはルイ・コスタ、セルジーニョ、ヨン・ダール・トマソンが出場していて、テレビゲームで揃えたかのようなチームだ。

これだけのタレントが揃っていたこともあり、前半で3ゴールを決めた時点で誰もがミランの勝利を確信したことだろう。しかし、リヴァプールの気持ちは切れていなかった。

ネスタは何よりも相手の闘将スティーブン・ジェラードを警戒していたと振り返っていて、当時のジェラードも世界最高のMFの1人だった。

「隣にはスタムもいたし、我々の守備陣は猛獣のようだったよ。冷静さは保っていたけど、リヴァプールをぶっ潰すつもりだった。ハーフタイムに祝勝会していたかって?それは誰かのでっち上げだよ。我々には緊張感が絶えずあったし、まだ終わっていないことは分かっていた。相手を支えていたのはジェラードだ。彼はまるで獣のようにピッチのどこにでもいたよ」

3-3と追いつかれてからもシェフチェンコが決定機を迎えるなどペースは全体的にミランだったが、なぜかあのゲームはリヴァプールに運が向いていた。リヴァプールの守護神イェジー・ドゥデクも大当たりで、百戦錬磨のタレントが揃うミランでも流れを止めることは出来なかった。

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