オリオールズ菅野智之が遂にメジャー初勝利 要所でスプリットが冴え5回1失点、試合の流れを引き寄せる好投

ピンチにも動じない巧みな投球術を披露した菅野 photo/Getty Images

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粘りの投球

ボルティモア・オリオールズの菅野智之投手が日本時間6日、敵地でカンザスシティ・ロイヤルズ戦に先発登板し、5回1/3を投げ、5安打1失点でメジャー初勝利を飾った。

菅野は初回、2死をテンポ良く奪うと3番ビニー・パスクアンティーノをスプリットで空振り三振に仕留める完璧な立ち上がりを見せる。2回も3者凡退に切って落としたが、3回以降は球が甘くなる場面もあり、安打や四死球などでピンチを背負いながらも、粘り強い投球を披露した。

その力投の様相を呈し始めた3回は、2死から初ヒットを許した。捉えられたボールは、ツーシーム。外角のストライクからボールへと変化する厳しいコースではあったものの、高さが甘かった。打球はセンター前へと弾き返されランナーを許すと、続く打者には制球が乱れ四球。さらに次の打者には、投球の際に体勢を崩しワンバウンドの暴投となりランナーが進塁。二、三塁のピンチを招いたが、菅野はここで一段ギアを上げた。最後は決め球のスプリットを外角低めに落として一ゴロに打ち取った。
5回も無死から連打を浴びて得点圏にランナーを背負った菅野。ここでも集中力を切らさず、後続をきっちり抑え無失点を継続。その後、味方が4点を追加し6-0とした後の6回のマウンドも、甘いボールは簡単に痛打された。先頭のボビー・ウィット・ジュニアには本塁打を許し、この試合初失点。その後、安打と死球で1死一、二塁としたところで降板となった。

それでもここまで1失点に抑えた菅野の好投によって、引き寄せたゲームの流れは変わらなかった。オリオールズ投手陣はロイヤルズ打線を継投で無失点に抑え、終わってみれば8−1で勝利。菅野に勝ち星もついた。

菅野にしてみれば、待望の初勝利となったものの、この日の投球は決して調子が良かったとは言えないだろう。ただランナーを背負いながらも要所を締める投球術は見事で、カットボール、スライダー、スプリット、ツーシームなど多彩な変化球がいいコースに決まれば、打者はタイミングを外され打ち損じた。今後、コントロールの精度が上がれば、さらに素晴らしいピッチングを披露してくれるに違いない。次戦に期待したい。

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