平均年齢ほぼ30歳なのによく走る イタリアの走れる“おじさん軍団”が今季こそ欧州を席巻するか  

チーム最年長ながら今季もここまで公式戦23試合に出場。インテルの最終ラインを支えるアチェルビ photo/Getty Images

続きを見る

CL準々決勝・1stレグの総走行距離が最長

年齢はただの数字にすぎないか。決勝で敗れた2年前のリベンジに燃えるイタリアの“おじさん軍団”が、今季躍動している。

8日に行われたチャンピオンズリーグ・準々決勝の1stレグで、バイエルン・ミュンヘンと対戦したインテル。敵地での戦いながら2-1の勝利を収め、ベスト4進出へ向けて大きく前進した。

そして、この試合で注目を集めたのがインテルの選手たちの年齢。GKヤン・ゾマー36歳、DFフランチェスコ・アチェルビ37歳、MFマッテオ・ダルミアン35歳、MFヘンリク・ムヒタリアン36歳と、インテルのスタメンには35歳以上のベテラン選手が4名も名を連ねていた。伊『Gazzetta dello Sport』によると、CLのノックアウトステージにおいて、11人のスタメンのうち4人が35歳以上の選手というのは初めての出来事だというのだ。
そもそもインテルのトップチーム(25名)の平均年齢は「29.4歳(『transfermarkt』より、4月11日時点)」。ほぼ30歳と言っても過言ではなく、すでに敗退していったクラブを含めても、今季のCLで最も平均年齢が高いクラブとなっている。そのため、30歳以上の選手が多くスタメンに起用されるのは日常茶飯事ではあるが、平均年齢が最も低かったザルツブルク(平均年齢「23.0歳」)と6歳以上も離れているのは驚きだ。

世間一般から見れば30代はまだまだ若い年齢かもしれない。ただ、30歳までプロキャリアを続けることが簡単ではないサッカー界で見れば、30代は決して若くはない。30歳を超えて、周囲から肉体の衰えを指摘される選手もいる。サッカー界ではむしろ「おじさん」と言われてもおかしくない年齢かもしれない。

ただ、ベテラン選手にはベテラン選手の良さがあり、CLのような大舞台ではこれまで経験が非常に重要となってくることもある。しかも、シモーネ・インザーギ監督のもとで活躍するインテルのベテラン選手たちは、年齢を重ねてもそのタフさや運動量が落ちないのが素晴らしい。「年齢はただの数字にすぎない」ということをプレイで示している。

実際、バイエルンとの1stレグでは35歳以上の選手を4名もスタメン起用しながら、チームの総走行距離で「125.6km」を記録。CL準々決勝の1stレグを戦った8クラブの中で最長で、最も少なかったレアル・マドリード(総走行距離「101.2km」)よりも25km近く長かったというデータもあるほどだ(『TNT Sports』より)。
 
また、インテルのチーム内におけるベテラン選手の重要性は、バイエルン戦の前に伊『Sky Sport』のインタビューに応じたジュゼッペ・マロッタ会長のコメントからも見てとれた。同インタビュー内で「チームを若返らせ、コストを抑えたい。ただ、我々は経験豊富な選手を評価する機会を軽視するつもりはない」と述べていた。

2022-23シーズンのCLでは、決勝でマンチェスター・シティに惜しくも敗れ、ビッグイヤーを逃していたインテル。現在のチームには、先に名前を挙げたアチェルビ、ダルミアン、ムヒタリアンといったベテラン選手をはじめ、この苦い経験を味わった選手も多い。走れる“おじさん軍団”で2年前のリベンジを狙う。そのためにも、まずは準々決勝でバイエルンをしっかり退けたいところだ。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.303 躍動するサムライ18

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:海外サッカー

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ