出場枠がさらに拡大する可能性がある30年開催のW杯 今大会予選で苦しむ中国も出場枠の増加には否定的か

出場枠が64カ国に増える可能性がある2030年のワールドカップ photo/Getty Images

48カ国から64カ国に増加する可能性

更なる出場枠の増加には、中国も反対の意見があるようだ。

2030年にスペイン、ポルトガル、モロッコで開催されるFIFAワールドカップでは、出場枠が48カ国から64カ国に増加する可能性があるという。第1回大会が1930年に開催されてから、ちょうど100年が経つこの記念すべき年に、南米サッカー連盟のアレハンドロ・ドミンゲス会長が出場枠の増加を提案。この年の大会1度限りで、すべての国に出場のチャンスを与えることを考えているという。

当然この提案には反対意見も多く聞かれる。出場国が増えれば試合数も増加するため、選手たちのプレイの質が低下してしまうこと、また予選の価値も下がってしまうことなどが危惧される。仮にこの案が認められた場合、試合数は全部で128試合へと増加することから、欧州サッカー連盟のアレクサンデル・チェフェリン会長も「良い考えではない」と批判していた。

そして意外にもこの提案に否定的な意見を述べていたのが中国だ。中国メディア『狐捜』は「ワールドカップは64カ国に拡大?」と見出しを打ち「2030年のワールドカップが本当に64カ国の大舞台になれば、アジアの出場枠はさらに増え、12.5か13カ国に増加する可能性もある。これは間違いなく中国サッカー代表にとって大きな後押しとなり、本大会出場への道ももはや遠いものではなくなったと言えるだろう」と予選突破の可能性が高くなることに触れるも「しかし、ワールドカップの出場国拡大は本当に中国サッカー代表を救うことができるのだろうか?答えはおそらくノーだろう。参加するチームが増えても、サッカーの試合の盛り上がりは結局のところ各チームの実力に左右される。ワールドカップに弱小チームが多数出場すれば、試合の見ごたえは大きく損なわれるに違いない。 それに今の中国代表チームの実力を考えれば、出場国が64カ国に拡大したとしても出場権を獲得するのは難しいだろう。枠を18カ国に増やさない限り、中国のワールドカップ出場の夢はまだまだ遠いものとなるだろう」と中国の現在の立ち位置を理解した上で出場が困難なこと、また大会の価値が下がることに言及していた。

中国は現在行われているワールドカップ北中米大会アジア最終予選で、ここまで2勝6敗の勝ち点6で最下位に沈んでいる。すでに2位以内に入れる可能性が消滅し、ストレートインでの出場が絶たれた。まだプレイオフ圏内に入れる可能性は残っているが、厳しい状況にいる。出場枠が32から48カ国に増えた今大会でも、出場できる8.5枠の中に入れることは難しく、仮に枠が増えてギリギリで突破できたとしても、今の実力では本大会で当たるであろう強豪国の前で何もできずに大会を去ることが予想される。

物議を醸す2030年のワールドカップ出場枠増加問題は、中国のような国でも賛成というわけではなさそうだ。

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