[名良橋晃]名良橋晃が選ぶ、J1を盛り上げる観戦必須の6名!

代表入りを期待する早川(鹿島) 高木(清水)は名選手を連想させる

代表入りを期待する早川(鹿島) 高木(清水)は名選手を連想させる

2023年から全試合フル出場を続ける早川は、代表入りが期待される Photo/Getty Images

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毎年のことですが、今季もJ1は混とんとした順位争いになっています。各チーム、各選手がそれぞれの状況に置かれていますが、ここまでのリーグ戦を取材していて個人的に「オッ!」と思った選手がいます。そんな6名を今回は紹介します。

早川友基(鹿島)は過去2年間リーグ戦に全試合フル出場していて、今季も開幕戦からフル出場を続けています。押しも押されもしない鹿島の守護神で、シュートストップの能力が高く一試合に一度か二度は必ずファインセーブがあります。

GKとしては身長が低いかもしれないですが、バネがあるし足元の技術力が高いです。現代型のプレイスタイルであり、神戸戦では正確なフィードを前線に供給してアシストも記録しています。GKなので活躍するシーンが少ないほうが良いのですが、個人的に高く評価しています。7月のE-1選手権で早川友基を日本代表に……という期待をしています。
安藤智哉(福岡)はCBながら6節FC東京戦、7節町田戦で2試合連続ゴールを決めています。身長190センチとサイズが大きく、空中戦を含めた対人プレイに抜群に強いです。愛知学院大→今治→大分と着実にステップアップして今季から福岡でプレイしていますが、J1でも十分にやれることを証明しています。

福岡は調子を上げていますが、最終ラインの真ん中は安藤智哉と田代雅也のCBというのが鉄板になっています。金明輝監督は後ろからつなぐスタイルを志向しており、フィードの正確性も求められています。出場を続けることで現代型のCBとして成長し、大学の大先輩である秋田豊さんを越えるCBになってほしいです。

高木践(清水)はCB、SBができる器用なタイプで、システムやポジションに応じていろいろな振る舞いができます。秋葉忠宏監督が率いる清水は3バック、4バックを使い分けて戦っていますが、サッカーIQが高くて機動力がある高木践は3バックなら右CB、4バックなら右SBを任され、代えがきかない戦力となっています。

小柄で身体能力が高く、動きに迷いがなく思い切りがいい。こうした特長から、そのプレイを見ているとファビオ・カンナバーロ(元イタリア代表)やイバン・コルドバ(元コロンビア代表)を思い出します。どちらも小柄なディフェンダーでしたが、それを補うバネがありました。両名を連想させる高木践がどう大成するか、ちょっと楽しみです。
 

熊坂(柏)は頼もしい選手に 矢村(新潟)はゴラッソが多い

熊坂(柏)は頼もしい選手に 矢村(新潟)はゴラッソが多い

大型ボランチの熊坂は、頼もしい選手に成長した Photo/Getty Images

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熊坂光希(柏)は今季からチームを率いるリカルド・ロドリゲス監督のスタイルにピタリとハマり、守備的MFのポジションで出場を続けています。身長185センチと高さがあり、空中戦にも強いです。ドリブルで運ぶ推進力もあり、ゴール前に入っていく迫力もあります。いろいろなプレイができるタイプで、いまの柏にうまく適応しています。

柏U-18→東京国際大学→柏という経歴の持ち主で、私は彼がU-18のころから見ていますが、身体が大きくなってサッカー選手として確実に成長しています。すでに他チームから対策されており、注目されているな、警戒されているなと感じます。ただ、熊坂光希は状況に応じて攻め方を変えることができます。頼もしい選手になったなと思っています。

矢村健(新潟)は昨季のJ2で期限付き移籍していた藤枝で16得点し、新潟に復帰しました。スタメンでも途中からでも力を発揮できるストライカーで、9節を終えてすでに3得点しています。フィニッシュのときにムリがきくタイプで、豪快なゴラッソが多いですね。なにがなんでもシュートというどん欲さもあり、ゴールに近いところで力を発揮します。相手DFの背後を取るスプリントも魅力です。

新潟は今季から指揮を執る樹森大介監督のもと、ダイナミックさも取り入れています。背番号9を託された矢村健には、もっとゴールしてほしいです。新潟の運命は、今後どれだけ矢村健がゴールを増やしていけるかにかかっているかもしれません。

最後に、私の大のお気に入りである木村太哉(岡山)を紹介させてください。岡山の元気印で、どんな相手であろうと、どんな状況であろうとアグレッシブに振る舞う姿を見ていると、元気をもらえます。それだけでなく、初のJ1ですでに2得点です。ただ元気なだけではなく、しっかりと結果を残して勝利に貢献しています。

まわりの良さを生かす力があり、1トップの下、シャドーのポジションでプレイし、ルカオ、一美和成、江坂任、岩渕弘人などいろいろな選手と共存するなかチャンスを作り出しています。どんなタイプの選手とも連係が取れる──。おそらく、コミュニケーション能力が高いのだと思います。いまの岡山は内弁慶でホームでしか勝ち点を稼げていないですが、チームも木村太哉も十分にJ1でやれています。少なくとも、私は元気をもらっています。

構成/飯塚 健司

※電子マガジンtheWORLD304号、4月15日配信の記事より転載

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