レアル相手に《1ゴール2アシスト》の輝き すっかりアーセナルのセンターフォワードに収まったメリーノの適応力

メリーノは最前線で輝いている photo/Getty Images

アルテタの抜擢は当たりだった

チャンピオンズリーグ準々決勝でレアル・マドリードを2戦合計5-1で撃破し、ベスト4入りを決めたアーセナル。1stレグではMFデクラン・ライスが2発もフリーキックを決め、2ndレグではブカヨ・サカがレアルの心を折るゴールを決めるなど、チームの軸となる選手たちがきっちりと結果を出した印象だ。

しかし、彼らとともに忘れてはならないのがセンターフォワードとして1stレグ、2ndレグともにフル出場したミケル・メリーノである。

今季のアーセナルはカイ・ハフェルツとガブリエウ・ジェズスを怪我で欠いており、本職のセンターフォワードが不在という難問に直面している。そこで指揮官ミケル・アルテタが最前線を任せたのは、本来中盤を本職とするメリーノだ。

メリーノは想像以上にその役割を上手くこなしていて、レアル戦でも1stレグではチーム3点目となるゴールを奪い、2ndレグでは見事なスルーパスでサカとガブリエウ・マルティネッリのゴールをアシストしている。メリーノの働きも絶賛されるべきものだ。

英『The Standard』は「アーセナルはどうやってメリーノを欧州で最も危険なセンターフォワードの1人にしたのか」と驚いているが、メリーノが結果を出したのはレアル戦だけではない。国内リーグの方でも、センターフォワードとしてレスター・シティ戦で2ゴール、チェルシー戦とフラム戦で1ゴールを決めるなど、チームに貢献している。まるでセンターフォワードを本職としている選手かのような働きだ。

ハフェルツも中盤と前線の両方をこなせる選手だが、同メディアはメリーノも似たルートを辿っていると注目する。

「メリーノはハフェルツと同じ道を辿っている。アーセナルで8番ポジションの選手として加入し、そこから前線に移って突然ゴールを決め始めた。しかもハフェルツとは異なり、メリーノには前線でのプレイ経験がない。メリーノが最後にストライカーとしてプレイしたのは7歳の時だったという。ジェズスとハフェルツが負傷離脱する中、メリーノを最前線に配置したのはアルテタにとって最善のチョイスだったと言える。メリーノは年明けから6ゴールを決めているが、今冬に獲得したFWが6ゴールを決めていれば素晴らしい補強と称賛されただろう」

アルテタはメリーノとハフェルツに共通点があると感じてセンターフォワードを任せたようだが、この判断は当たりだった。レアル戦で2アシストを決めたように、メリーノは中盤に顔を出してサカやマルティネッリといったワイドプレイヤーにスペースを与えることも上手くなっている。

本来レアル相手に本職のセンターフォワード抜きで戦うのは厳しいものだが、メリーノのおかげでセンターフォワード不在を感じる瞬間は少なくなっている。

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