アンチェロッティのコントロール術はレアルで限界を迎えたのか 気になるチームの“成長力”

レアルを指揮するアンチェロッティ photo/Getty Images

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スター選手のコントロール術は見事だが……

チャンピオンズリーグ準々決勝でアーセナルに完敗を喫したレアル・マドリード。国内リーグでも首位バルセロナを追いかける立場にあり、ここまでの戦いは納得のいくものではないだろう。

厳しい視線を向けられているのは、指揮官カルロ・アンチェロッティだ。

アンチェロッティは誰もが認める名将であり、レアルにも多くのタイトルをもたらしてきた。しかしサイクルの終わりを迎えているのではとの声もあり、スペインサッカーに詳しいギジェルモ・バラゲ記者はアンチェロッティの強みと弱みについて次のように語っている。
「アンチェロッティは、もともと質の高い選手がいる環境でこそ力を発揮するタイプだ。彼はドレッシングルームの調和を保ち、エゴのバランスを保ち、いかなる試合にも勝つというマドリーの信念を植え付ける。これはある程度まで上手くいっていた。しかし、今季はそうしたアプローチに限界が見られた。重要なゲームで相手よりも走行距離が少なくなることも珍しくなく、アルダ・ギュレルやブラヒム・ディアス、エンドリックといったバックアッパー陣も十分に活かされていない。そのぶん負担は主力グループにかかり、選手たちは肉体的にもメンタル的にも疲れ果てているようだ」(『BBC』より)。

今夏にはパリ・サンジェルマンからFWキリアン・ムバッペを迎えることになり、ムバッペをヴィニシウス・ジュニオールやジュード・ベリンガム、ロドリゴ・ゴエスといった個性の強い選手たちと連携させていくのは簡単ではない。彼らをまとめる点においてアンチェロッティは最高の指揮官だ。

しかし、攻撃陣の最適解はなかなか見つけられていない。ギュレル、エンドリックも優れた若手だが、アンチェロッティは彼らをそこまで積極的に起用していない。若手をチームに組み込む点においては不満の残るシーズンとも言える。

今のレアルには新しい戦術の形を浸透させる人物が必要となる。簡単な仕事ではないが、変化の時を迎えているのは確かだろう。

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