アルゼンチン代表にとって大成功だったスカローニの招聘 監督経験が不足していた青年監督への賭け「メディアが望むような大物指揮官の招聘に動いたかも」

アルゼンチン代表を指揮するスカローニ photo/Getty Images

W杯にコパ・アメリカも制覇と大成功

リオネル・メッシを中心に2022年のワールドカップ・カタール大会を制し、昨年もコパ・アメリカを制覇するなど結果を出し続けているアルゼンチン代表。

メッシを中心とした選手たちの実力はもちろんだが、彼らをまとめる指揮官リオネル・スカローニの手腕も見逃せない。スカローニ就任前のアルゼンチンは監督人事がヒットしなかったところがあり、2014年からヘラルド・マルティーノ、エドガルド・バウサ、ホルヘ・サンパオリとバトンを繋いできた。

しかし思ったような結果は出ず、2018年にサンパオリを解任。その時アシスタントコーチを務めていたのがスカローニで、暫定的にアルゼンチン代表を指揮することになった。アルゼンチンサッカー協会のクラウディオ・タピア会長はそのままスカローニを代表監督に昇格させることを決定したが、当時この判断には否定的な声もあった。スカローニに指揮官としての経験が不足していたからだ。

結果的にスカローニの就任はヒットとなったわけだが、『TyC Sport』にてタピア会長は当時の決断を次のように振り返っている。

「最初はロシアでスカローニに会ったが、当時は難しい時期だった。彼はセビージャで対戦相手の分析などの仕事をしていたんだ。もし私がジャーナリストやメディアの意見通りに動いていれば、メディアが望むような大物指揮官の招聘に動いたかもしれないね。しかし長期的なプロジェクト、世代交代を勧められる指揮官は唯一スカローニだけだったんだ」

スカローニは今やアルゼンチンの名将であり、来年のワールドカップでは連覇の偉業へ挑むことになる。2026ワールドカップへ向けた南米予選でも着実に勝ち点を重ねていて、スカローニの招聘こそアルゼンチン代表成功の秘訣だったと言える。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.304 Jリーグ新時代

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:各国代表

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ