角田夏実、無差別の全日本女子で2勝するもベスト8には届かず 試合後には「この充実感は引退したら味わえない」と寂しさ感じる心中を明かす

4年ぶりに出場し、軽量級ながら大健闘した角田 photo/Getty Images

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オリンピックより厳しい戦い

体重無差別で争われる柔道皇后杯全日本女子選手権が20日、神奈川・横浜武道館で行われ、パリ五輪女子48キロ級金メダリストの角田夏実が3回戦で敗退した。

角田は今回、適正体重である53キロで臨み、1回戦は体重90キロの鋳山真菜実(徳島・生光学園高3年)を判定で下し、2回戦は、体重76キロの橋高朱里(金沢学院短大教員)と対戦。角田は得意技の巴投げを仕掛け、関節技も何度も試み、両者2つの指導をもらった後に、再三の巴投げで有効を取り逃げ切った。

そして3回戦は70キロ級の寺田宇多菜(JR東日本)に攻めきれず判定負け。4階級上の相手に自分の組み手を作れず、相手の大内刈りで体勢を崩される場面もあった。なんとか一矢報い、終盤には関節技を狙うもののタイムアップとなった。
角田は大会を終え、「疲労度が全然違った。海で遊んだような感じ。48キロ級とは違う緊張感でオリンピックより緊張しているかもって思う瞬間があった。優勝は無理だったとしても1つでも多く試合をしたかった。緊張感のある試合ができた」と自己最多の2勝を挙げたことに及第点をつけた。それでも金メダリストとしてのプライドからか、やはり負ける悔しさも募った。「勝って当たり前じゃない大会でも負けたことがすごく悔しい。もっとできることがあったんじゃないかとすごく考えてしまう。やっぱりまだまだ勝負の世界にいたい」と世界一になっても反骨心の炎を消えていない心中を明かした。

角田は6月の世界選手権を回避して今大会に臨んだ。今後については「気持ちが毎日コロコロ変わる。柔道を追い込んでいるときが一番充実して楽しい。このキツさ、充実感は引退したら味わえないと思うと寂しい気持ちがある」と引退も頭の片隅に置いてあることを示唆すると「今ここでやめますと言うよりは、もうちょっと自問自答したい」と迷う気持ちを赤裸々に述べた。

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