[運動神経でクルマは選べ! 171]JAGUAR F-TYPE

ビッグタイトルを獲得する名門に所属し、大きな個人賞を獲得するなど、なにかと話題になるスター選手。逆にそうしたスターの影に隠れているが、識者やマニアからは評価の高い素晴らしいフットボールプレイヤーもいる。

「スポーツするクルマ」にも似た存在のクルマがある。今年、マイナーチェンジでデザインを大きく変更したジャガーのFタイプがその好例だ。Fタイプはクーペとコンバーチブルが用意された2名乗車のスポーツモデルである。価格は約800万円前後〜1000万円オーバーと、ハッキリいって激戦が続くカテゴリーのクルマである。ポルシェのケイマンやボクスター、BMWやメルセデス、アウディに日本車、アメリカ車など、多くのモデルが投入されている。その中でFタイプは常に「走りの味」で勝負を続けてきた。

Fタイプはエンジンの種類が多く、直4、2種類のV6、5ℓオーバーのV8も設定されている。もちろんどれもハイパワーで素晴らしい出来である。しかしFタイプの真骨頂は乗り心地を含めた操作感にある。アクセルやハンドル操作に対し素直な動きをし、誤解を招く言い方をすると「昔ながらの味」がする。もちろん数々の最新デバイスを備えてドライバーをサポートしているのだが、根本にあるのは「走る楽しさ」である。これはFタイプの、そしてジャガーブランドの持っている特徴の1つである。

しかもトップグレードのV8モデルに乗らずとも、ベーシックな直4エンジン搭載車でも同じ味が味わえる。人によってはむしろ小さいエンジンを積んでいるほうが「濃い味」と感じる人もいるだろう。なにせSUVに乗っても同じようなフィーリングを感じさせるブランドである。ピュアなスポーツモデルとなれば、その味はとにかく強烈だ。残念なのはライバルが強烈すぎて、日本はもちろん世界でも決してヒットしていないことだ。まさに「知る人ぞ知る」存在である。もし王道モデルを買う喜びやブランドネームを重要視しないのであれば……一推しな「スポーツするクルマ」となる。

ではフットボールの世界では誰が一番近い存在か。サラーやマネの影に隠れた英国人。となるとジョーダン・ヘンダーソンあたりが似た存在といえるかもしれない。


寸法:4480mm×1925mm×1315mm(全長×全幅×全高)/
エンジン:直列4気筒 1995cc/最高出力:300ps(5500rpm)/
最大トルク:400N・m(1500-2000pm)/価格:827万円
問ジャガーコール 0120-050-689

文/iconic

※電子マガジンtheWORLD242号、2月15日配信の記事より転載

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