[運動神経でクルマは選べ! 175]ALPINE A110

ユースや世代別の代表チームで早くから活躍し、ファーストチームデビュー前から期待を集める若手選手がいるように、自動車の世界でも発売前から大きな話題になるモデルがある。多くの場合はスーパーカーや人気車種の最新モデルなのだが、ごく希に性能への期待だけで注目を集めることもある。最近の例ではアルピーヌのA110がそうだ。しかも、それが希少な「スポーツするクルマ」だったりするものだから、ピュアなクルマ好きは驚きつつ喜んだものである。

さてまずはA110の基本情報から。まずアルピーヌというメーカーは元々スポーツカーやレーシングカーを作っていたフランスの自動車メーカーで、現在はルノーブランドの1グループという立ち位置となる。レーシングドライバーが立ち上げたブランドらしく、ルノー車をベースにしたスポーツモデルを生み出してきたのだが、その代表車がA110というスポーツカーだった。そのモデルを現代風に復刻させたのが、現在発売されているA110ということになる。

クルマのキャラクターは見た目通りである。一般的に売れ筋モデルになりやすいSUVやミニバンのような万能性、利便性はない。A110が持っているのは軽いボディ、反応のよい運転フィーリング、気持ちの良い加速とピュアなスポーツカーに求められる要素である。エンジンは1.8ℓと小さめだが、車両重量1100kgには十分で走りは非常に刺激的。スポーツカーの命であるサスペンションもハード目でちょっとした段差を乗り上げようものなら、車内の飲み物がこぼれるのでは? と心配になるような動きを見せる。しかし、そこに不快さを伴わないところがこのA110の、アルピーヌというブランドの凄さである。ついついアクセルを踏んで、いつもより速度域を上げてドライブしたくなる。燃費とか自動運転機能とかそういうことが気にならなくなる。まさに現代のクルマとは別方向に進んでいるクルマなのである。万人受けはしないけど、数少ない人の心に刺さる嗜好品。それがA110である。

ではこのA110に似たフットボールプレイヤーは誰だろうか。フランス国籍、体は小さ目。運動能力が高い選手といえば、アントワーヌ・グリーズマンあたりが一番イメージに近いかもしれない。

ALPINE A110 S
寸法4205mm×1800mm×1250mm(全長×全幅×全高)/
エンジン直列4気筒1800cc/最高出力:292ps(6420rpm)/
最大トルク:320N・m(2000pm)/
価格8,990,000 問アルピーヌ コール 0800-1238-110

文/iconic

※電子マガジンtheWORLD246号、6月15日配信の記事より転載

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.299 フリック・バルサ徹底分析

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:ALL

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ