[運動神経でクルマは選べ! 177]PORSCHE 911 TURBO

「エース」や「ゲームメーカー」のように仕事や役職を意味する言葉が「レアルのエース」や「日本代表のゲームメーカー」と2つの単語で繋がると相乗効果で様々な意味を含めることがある。自動車の世界で最も強力な組み合わせ、それは「911+ターボ」になるのではないだろうか。

ポルシェ911は、後ろにエンジンを積む「RRレイアウト」で半世紀に渡り販売されているスポーツカーの王道モデルである。デザインを大きく変えず、同じ名前で販売され続ける、希有なクルマである。元々911はピュアスポーツモデルであり、乗り心地はやや固め、その分ハンドリング性能や加速フィールが魅力である。そしてその911をより快適に、例えば高速移動でもクルージングできるようなGT機能を付加したモデルが最上級の911のターボとなる。

2代目の911である930型から設定されてきたこのモデルはどの世代も似たポジションで、圧倒的な加速力を生む高出力エンジンを武器にしてきた。最新911ターボの出力は580PSで、0-100km加速2.8秒、最高速度320km/hというスペックを生み出す水平対向6気筒ターボエンジンを備えている。もちろん、これはスポーツカーとして一級品の数字だ。そしてただ速いだけではない。全幅2m越えという数字から分かる通り、911ターボはワイドフェンダーになっていて、極太タイヤを履かせ、高性能サスペンションがそれを支える。その安心感はすさまじく、おそらくスポーツカーの運転に慣れていない人でも、一切不安なく法定速度に達するはずだ。

ちなみに自分はこのモデルに乗る度、あまりの速さに他のモデルの倍の回数は速度計を見るようにしている。スピード感がないので、実際より遙かに速度が出てしまうからだ。鼻歌交じりで高速道路を走ろうものなら驚く速度に……、なんてことが普通に起こりうるクルマなのである。

それで911ターボは快適である。乗り心地はソフトで首都高のような荒れた路面でもなんなくいなして走る。スポーツカーのように見えて、しかも一番戦闘力が高そうなのに、一番楽な911。それが911ターボなのである。

さて、そんな911ターボに似たサッカー選手といえば誰だろうか。ドイツ生まれ、よく知られた存在で、安心感があり、いるといないとではチームの戦いやすさは大違い。バイエルンのトーマス・ミュラーが一番似ているかもしれない。

PORSCHE 911 TURBO
寸法4535mm×2024mm×1303mm(全長×全幅×全高)/エンジン水冷6気筒ターボ3745cc/
最高出力:580ps(6500rpm)/最大トルク:750N・m(2250-4500pm)/価格24,430,000
問ポルシェ コンタクト 0120-846-911

文/iconic

※電子マガジンtheWORLD248号、8月15日配信の記事より転載

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