[運動神経でクルマは選べ 178]SUBARU XV

この10年で世界で戦う日本人プレイヤーは増え続け、その活躍にファンの注目が集まっているが、世界で戦う日本車の健闘ぶりを知っている日本人は意外なほど少ない。自動車マーケットとして非常に大きい北米において、日本車は常に人気車というポジションを守り続けている。「壊れない」「燃費がいい」という日本車の武器は、古くから海外では高い評価を得ているのだ。

2020年9月にマイナーチェンジによるデザイン変更を行ったスバルのクロスオーバーSUV、XVも日本のみならず世界を舞台に戦うSUV界の日本代表モデルである。XVの車名は「クロスオーバー・ビークル」の略である。自動車の世界では2つのカテゴリーを跨がるようなモデルにこの名を使う。XVの場合はステーションワゴンとSUVの融合で、SUVのスタイル1550mmという低めの全高を特徴としている。ステーションワゴンに悪路走破性を加えたモデル、というのが分かりやすいだろう。元々インプレッサでWRCを戦い続けてきたスバルは、4WD車を作るのがうまい。その4WD性能に世界でポルシェとスバルだけが作っている水平対向エンジンを載せ、一目でスバル車と分かる独特のデザインを組み合わせている。

日本車が世界と戦う武器のひとつが、安全や快適性に直結する電子デバイスの存在である。そしてこのXVも同様で、日本車らしい装備が多い。代表的なのがスバル独自の安全技術である「アイサイト」。時代に合わせて進化を続けるこの装備は、人間の目に相当する2つのカメラから情報を読み取り、「走る、曲がる、止まる」というクルマの基本動作を制御。歩行者を検知しての自動ブレーキをはじめ、事故を起こさないための運転支援を行う。スバル車におけるアイサイト搭載車の発生率は、非搭載車に比べて84%も減少しているという。また4WDシステムにしても元々ラリーで鍛えた高性能なシステムに、様々な制御を加えて、快適性とスポーツ性をしっかりと両立。目の肥えた北米試乗の顧客を満足させるだけの装備が用意されている。

XVというクルマをサッカー選手に例えるなら、日本人らしい強みを生かしつつ、評価はむしろ海外でのほうが高い選手になるだろうか。マルセイユへの移籍を果たした長友佑都を思い描いてもらうと、XVの素晴らしさがより分かりやすいかもしれない。

SUBARU XV 1.6iL EyeSight
寸法4485mm×1800mm×1550mm(全長×全幅×全高)/
エンジン水平対向4気筒ターボ1995cc/最高出力:145ps(6000rpm)/
最大トルク:188N・m(4000pm)/価格2,332,000 問SUBARUコール 0120-052215

文/iconic

※電子マガジンtheWORLD249号 9月15日配信の記事より転載

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